RAID完全理解ガイド|ストライピング・ミラーリング・パリティの違いと試験対策を初学者向けに徹底解説
IT関連の勉強をしていて、『RAID』という言葉に出会い、『いまいちピンとこない……』と頭を悩ませていませんか?
試験では単なる用語の暗記だけではなく、その仕組みや活用シーンが問われます。せっかく勉強するなら、試験に受かるだけでなく、仕事でも役立つ『一生モノの知識』として身につけたいですよね。
この記事では、CCPAの本質を、分かりやすい例を交えながら解説します。難しい理屈を徹底的に噛み砕き、専門用語を使わずにその正体を解き明かします。
肩の力を抜いて、気楽に読み進めましょう。この記事を読み終える頃には、小難しい専門用語がスッと頭に入り、自信を持って問題に挑めるようになっているはずです。試験合格のその先を見据えた『使える知識』を、日本一分かりやすくお届けします。
| 用語 | RAID | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 正式名称 | Redundant Array of Independent Disks(独立ディスクの冗長配列) ※旧称:Redundant Array of Inexpensive Disks(安価なディスクの冗長配列) | ||||||
| 日本語訳 | レイド / ディスクアレイ | ||||||
| 定義 | 複数の磁気ディスク装置をまとめて一つの装置として扱い、信頼性や速度を向上させる技術です。 | ||||||
| 試験別出題 | |||||||
| IT | ◯ | SG | ◯ | FE | ◎ | AP | ◎ |
| カテゴリ | システム構成要素 / ハードウェア | ||||||
| 関連用語 | ストライピング / ミラーリング / パリティ / RAID0 / RAID1 / RAID5 / NAS / SAN | ||||||
RAIDとは何か
RAIDの基本イメージ
RAID(Redundant Array of Independent Disks)は、複数のハードディスク(またはSSD)をまとめて「1つのディスクのように扱う」技術のことです。
目的は主に次の2つです。
- データが壊れにくくする(信頼性・可用性の向上)
- 読み書きの速度を速くする(性能向上)
単体のディスク1台で頑張るのではなく、複数台をチームとして動かすことで、故障に強くしたり、処理を分散して速度を上げたりします。
なぜRAIDが必要なのか
業務システムやサーバーでは、ディスクが1台壊れただけでシステムが止まると、大きな損失につながります。
RAIDを使うことで、ディスクが1台壊れてもシステムを止めずに動かし続けられる構成を作ることができます。
また、データの読み書きを複数ディスクに分散することで、処理を並列で実行できるため、ディスクアクセスが高速になるケースもあります。
RAIDの基本用語
ストライピング(Striping)
データを細かいかたまりに分けて、複数ディスクに分散して書き込む仕組みです。
例えば、ファイルを「A」「B」「C」「D」という4つのかたまりに分けて、ディスク1にAとC、ディスク2にBとDのように書き込むイメージです。
これにより、複数ディスクが同時に処理できるので、読み書きが速くなります。
ミラーリング(Mirroring)
同じデータを複数ディスクに「まるごとコピー」する仕組みです。
例えば、ディスク1とディスク2に全く同じ内容を保存しておくことで、片方が壊れてももう片方からデータを読み出せます。
ただし、容量は2台分使っても、実際に使えるのは1台分になります。
パリティ(Parity)
パリティは「誤り検出・復元のための計算結果」を保存しておくデータのことです。
簡単に言うと、「数台のディスクの内容から、壊れた1台分のデータを計算で復元できるようにするための情報」です。
パリティを使うRAIDでは、ミラーリングほど容量は減らさずに、ディスク障害への耐性を確保できます。
主なRAIDレベルの概要
RAIDにはいくつかの「レベル」があり、目的や特徴が異なります。
代表的なRAIDレベルの特徴を比較すると、次のようになります。
よく使われるRAIDレベル一覧
| RAIDレベル | 必要な最小ディスク台数 | 仕組み | 耐障害性(ディスク障害への強さ) | 性能(読み書き速度) | 容量効率の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| RAID 0 | 2台 | ストライピングのみ | なし(1台壊れたら全データ喪失) | 高速(特に読み書きとも) | 100%(全台分使える) |
| RAID 1 | 2台 | ミラーリング | 高(1台壊れても継続可能) | 読み取りはやや高速 | 50%(2台で1台分) |
| RAID 5 | 3台 | ストライピング+パリティ | 中〜高(1台まで故障に耐える) | 読み取りは高速、書き込みはやや低下 | 約(n-1)/n |
| RAID 6 | 4台 | ストライピング+ダブルパリティ | 高(2台まで故障に耐える) | RAID 5より書き込みは遅め | 約(n-2)/n |
| RAID 10 | 4台(2台×2セット) | RAID1+RAID0の組み合わせ | 高(ミラーリング構成に依存) | 高速かつ高信頼性 | 50%(2台で1台分) |
※ nはディスク台数です。
RAID 0:速度重視だが信頼性ゼロ
RAID 0の仕組み
RAID 0は、複数ディスクに対してストライピングのみを行う方式です。
データをディスクに分散して書くことで、読み書き速度を向上させます。
例として、2台構成で考えると、次のようにデータを分割して書き込みます。
- ディスク1に「データA、データC」
- ディスク2に「データB、データD」
読み出すときも2台同時に読めるため、単体ディスクより高速になります。
RAID 0のメリットとデメリット
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 読み書き速度が速い。容量を無駄なく100%活用できる。 |
| デメリット | 耐障害性がまったくない。1台でも壊れたら全データが読めなくなる。 |
信頼性は低いため、業務データや重要データには向きません。
一時的な作業領域や、速度だけを重視する使い捨て的な用途でのみ検討されることが多いです。
RAID 1:ミラーリングによる高い信頼性
RAID 1の仕組み
RAID 1はミラーリングを行う方式です。
同じデータを複数ディスクにまったく同じように書き込むことで、片方が壊れてももう片方から継続利用できます。
例として、ディスク1とディスク2に、常に同じ内容が保存されます。
- ディスク1:ファイルA、ファイルB、ファイルC
- ディスク2:ファイルA、ファイルB、ファイルC(完全コピー)
RAID 1のメリットとデメリット
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 片方のディスクが故障しても、もう片方でシステムを継続できる。 |
| デメリット | 容量効率が悪い(2台分の容量で実際に使えるのは1台分)。 |
読み取り時には、2台のうち空いている方から読むなどの最適化をすることで、若干の速度向上が見込めます。
ただし、書き込みは両方に同じデータを書き込むため、速度面では単体ディスクと大きく変わらないか、やや遅くなる程度です。
RAID 5:パリティ付きのバランスタイプ
RAID 5の仕組み
RAID 5は、ストライピングとパリティを組み合わせた方式です。
3台以上のディスクを使い、データとパリティ情報を分散して保存します。
例として、3台構成の場合のイメージは次のようになります。
- ディスク1:データA、データB、パリティP1
- ディスク2:データC、パリティP2、データD
- ディスク3:パリティP3、データE、データF
パリティは各ディスクに分散され、特定のディスクだけがパリティ専用になるわけではありません。
RAID 5の特徴
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 耐障害性 | 1台までのディスク故障なら、残りのディスク+パリティ情報からデータを復元できる。 |
| 容量効率 | n台中、1台分がパリティ用というイメージで、実効容量は約(n-1)台分。 |
| 性能 | 読み取りは高速。書き込みはパリティ計算が必要なため、単体ディスクやRAID 0より低下。 |
RAID 5は、容量効率・耐障害性・性能のバランスが良いため、昔からサーバーでよく使われてきた構成です。
一方で、ディスク故障時の再構築(リビルド)に時間がかかり、その間は性能低下や、さらに別のディスクが壊れるリスクなどもあり、最近ではRAID 6やRAID 10が選ばれる場合も多いです。
RAID 6:パリティ2重でさらに安全
RAID 6の仕組み
RAID 6はRAID 5を拡張した方式で、「パリティを2重に持つ」構成です。
4台以上のディスクを使い、2種類のパリティ情報を分散保存することで、同時に2台までのディスク故障に耐えられます。
RAID 6の特徴
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 耐障害性 | 2台までの同時故障に耐えられるため、RAID 5より高い信頼性を実現できる。 |
| 容量効率 | n台中、2台分がパリティ用というイメージで、実効容量は約(n-2)台分。 |
| 性能 | パリティが2種類あるため、書き込み時の計算負荷がRAID 5よりさらに大きく、書き込み性能は低下。 |
大容量ディスクが一般的になり、再構築時間が長くなった現代では、再構築中にさらにディスクが壊れるリスクも増えています。
そのため、リスクを抑えるためにRAID 6が採用されるケースもあります。
RAID 10:RAID 1+RAID 0のいいとこ取り
RAID 10の仕組み
RAID 10(またはRAID 1+0)は、RAID 1(ミラーリング)とRAID 0(ストライピング)を組み合わせた構成です。
まずペアでミラーリング(RAID 1)を作り、そのミラーリングされたグループをストライピング(RAID 0)で束ねます。
例として、4台構成の場合は次のようなイメージです。
- ディスク1とディスク2でミラーリング(同じ内容を保存)
- ディスク3とディスク4でミラーリング
- その2つのミラーセットをストライピングでまとめて使う
RAID 10の特徴
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 耐障害性 | 各ミラーセットごとに1台までの故障に耐えられる。故障の仕方によっては複数台故障しても継続可能な場合もある。 |
| 性能 | ストライピングにより高速な読み書きが期待でき、ミラーリングにより信頼性も高い。 |
| 容量効率 | 2台で1台分の容量となるため、4台で実効容量は2台分となり、効率は50%。 |
RAID 10は、性能と信頼性のバランスが非常に良く、データベースサーバーなど、性能と可用性両方が重要なシステムでよく用いられます。
ただし、必要なディスク台数が多くなり、容量効率は良くないため、コストを抑えたい用途にはあまり向きません。
ソフトウェアRAIDとハードウェアRAID
ソフトウェアRAIDとは
OS(Windows、Linuxなど)の機能として実現されるRAIDです。
CPUやOSの機能を使ってRAID処理を行うため、専用のRAIDカードなどは不要です。
- メリット
- 追加の専用ハードウェアが不要で安価。
- 設定や管理がOSの標準機能で行える。
- デメリット
- RAID処理がCPUリソースを消費する。
- OSに依存するので、他の環境にそのまま持ち込むには制限がある場合がある。
ハードウェアRAIDとは
専用のRAIDコントローラカードや、サーバー機に組み込まれたRAID機能で実現されるRAIDです。
RAIDの計算処理を専用ハードウェアが行うため、CPUに負荷をかけにくく、機能も豊富なことが多いです。
- メリット
- CPU負荷が低い。
- 高度な機能(バッテリーバックアップキャッシュなど)を持つ場合がある。
- OSに依存しにくく、サーバー向けとして信頼性が高い。
- デメリット
- 専用ハードウェアが必要でコストがかかる。
- 故障時には同じコントローラが必要になるなど、復旧のハードルが上がる場合がある。
バックアップとRAIDの違い
よくある誤解「RAIDを組めばバックアップ不要」ではない
RAIDはあくまで「ディスク故障への耐性」を高める技術であり、「バックアップの代わり」ではありません。
RAIDを組んでいても、次のようなケースではデータを失う可能性があります。
- 誤って重要なファイルを削除してしまった場合
- ウイルスやランサムウェアによるデータの暗号化・破壊
- システム全体の障害(電源トラブル、災害など)でサーバーごと失う場合
- RAID自体の設定ミスやコントローラ故障によるデータ破損
RAIDは「ディスク1台が壊れたくらいでは業務を止めないための仕組み」であり、「過去の状態に戻す」「遠隔地にコピーしておく」といった意味でのバックアップとは目的が異なります。
そのため、RAID環境であっても、別媒体や別拠点へのバックアップは必須です。
初学者向け:RAIDを理解するポイントまとめ
RAID構成を選ぶときの一般的な考え方
目的によって、向いているRAIDレベルは変わります。
ざっくりとした目安は次のようになります。
| 目的 | 向いているRAIDレベルの例 |
|---|---|
| とにかく速度重視 | RAID 0(ただし重要データには非推奨) |
| 信頼性重視(容量は多少犠牲) | RAID 1、RAID 10 |
| 容量と信頼性のバランス | RAID 5、RAID 6 |
| 高性能かつ高い信頼性 | RAID 10 |
実際の選定では、用途(DBサーバー、ファイルサーバーなど)、予算、必要な容量、許容できるリスクなどを総合的に見て決めます。
RAIDで誤解しやすいポイント
誤解①:RAIDを組めばバックアップと同じ効果が得られる
RAIDはディスク故障による物理的な破損から守る技術であり、バックアップとは目的が異なります。
RAIDで対応できること
- ディスク1台が壊れた場合の復旧
- ディスク故障による一時的な業務停止の防止
RAIDで対応できないこと
- 誤ってファイルを削除した場合の復元
- ウイルスやランサムウェアによるデータ暗号化からの保護
- システム全体の災害やデータセンター喪失への対策
RAIDはあくまで「ディスク故障対策」なので、定期的な別媒体へのバックアップは必須です。試験では「RAIDがあってもバックアップが必要」という出題が時々見られます。
誤解②:RAID構成は一度決めたら変更できない
RAIDレベルは後から変更することができます。ただし変更時には、
- 作業中はパフォーマンスが低下する
- 再構築(リビルド)に時間がかかる場合がある
- データを一度初期化する必要がある場合もある
試験では「現在RAID1だが、容量を増やしたいのでRAID5に変更したい」といった設定で、その可否や注意点を問う問題が出ることがあります。
誤解③:すべてのRAIDレベルが同じ耐障害性を持つ
RAIDレベルによって、耐えられるディスク故障の台数が大きく異なります。
- RAID0:耐障害性なし(1台が壊れたら全データ喪失)
- RAID1:1台の故障に耐える
- RAID5:1台の故障に耐える
- RAID6:2台の故障に耐える
- RAID10:構成によって異なる
特にRAID0は高速ですが耐障害性がないため、重要データには絶対に使用できません。試験では「RAID0の特徴は」という問題でよく出題されます。
誤解④:ストライピングとミラーリングの違いを理解していない
この2つの仕組みはまったく異なります。
| 観点 | ストライピング | ミラーリング |
|---|---|---|
| 仕組み | データを細かく分割して複数ディスクに分散保存 | 同じデータを複数ディスクに複製保存 |
| 目的 | 読み書き速度を向上させる | 耐障害性を向上させる |
| 容量効率 | 良い(複数台分の容量をほぼすべて使える) | 悪い(2台で1台分の容量しか使えない) |
| パフォーマンス | 高速 | 通常程度 |
| 耐障害性 | なし | あり |
| RAID構成の例 | RAID0 | RAID1 |
RAID5やRAID6はこの2つを組み合わせているため、「ストライピング部分で速度向上、パリティ部分で耐障害性を確保」という理解が重要です。
誤解⑤:パリティの計算方法が試験に直結すると思い込む
「パリティ」という言葉は試験に頻出ですが、細かい計算方法を覚える必要はありません。
重要なのは、
- パリティはディスク故障時のデータ復元に使う情報である
- RAID5は1台のディスク相当分をパリティに使う
- RAID6は2台のディスク相当分をパリティに使う
試験では「4台でRAID5を組んだ場合、実際に使える容量は何台分か」という容量計算問題が出ます。細かい計算アルゴリズムではなく、「ディスク台数-パリティ用台数=実効容量」という関係性を覚えることが大切です。
誤解⑥:RAID1とRAID10の違いが分からない
似た名前ですが、構成がまったく異なります。
- RAID1:2台のディスクで完全なミラーリング
- RAID10:複数のミラーリングセット(RAID1)をストライピング(RAID0)で組み合わせ
| 観点 | RAID1 | RAID10 |
|---|---|---|
| 最小ディスク数 | 2台 | 4台(2台×2セット) |
| 耐障害性 | 1台の故障に耐える | 各セット内で1台の故障に耐える |
| パフォーマンス | 標準的 | 高速 |
| 容量効率 | 50% | 50% |
| 向いた用途 | 安定性重視 | 高速+高信頼性が必要 |
試験では「RAID1で2台、RAID10で4台」という最小構成台数の違いがよく問われます。
誤解⑦:ソフトウェアRAIDとハードウェアRAIDの使い分けを誤解している
どちらを使うかは、用途や環境によって異なります。
| 観点 | ソフトウェアRAID | ハードウェアRAID |
|---|---|---|
| 実現方法 | OSやストレージソフトウェアで実現 | 専用RAIDコントローラで実現 |
| コスト | 低い(専用ハードウェア不要) | 高い(コントローラが必要) |
| CPU負荷 | ある | ない |
| パフォーマンス | ソフトウェア処理のため若干低下 | 専用ハードウェアのため高速 |
| 適用場面 | 小規模システム、スタンドアローンPC | エンタープライズサーバー |
| 向いた環境 | オンプレミスのシンプルな構成 | 高性能が必要なデータセンター |
試験では「小規模なファイルサーバーを構築する場合、ソフトウェアRAIDで十分か」といった実務的な判断を問う問題が出ます。
混同注意!RAIDと間違いやすい用語
RAIDと「ストレージ」の違い
「ストレージ」はデータを保存する装置全般を指す広い概念であり、RAIDはそのストレージの信頼性を高める仕組みです。
- ストレージ:HDD、SSD、USB、クラウドストレージなど、データを保存できるあらゆる装置
- RAID:複数のディスクを組み合わせて信頼性・パフォーマンスを向上させる技術
「ストレージの冗長性を高めるためにRAIDを使う」という関係です。試験では「ストレージの可用性」という言葉と共に出題されることがあります。
RAIDと「ミラーリング」の関係を誤解している
「ミラーリング」はRAIDの構成方式の1つであり、RAIDはミラーリング以上の広い概念です。
- RAID:複数のディスクを組み合わせる技術全般(ストライピング、ミラーリング、パリティの組み合わせ)
- ミラーリング:同じデータを複数ディスクに保存するRAIDの構成方式の1つ
試験で「ミラーリングを実装している」と言えば、それはRAID1のことを指すことが多いです。しかし「RAIDを実装している」と言う場合は、RAID0~6のどれでもあり得ます。
RAIDと「バックアップ」の関係
この2つは補完関係にあり、どちらが優れているわけではありません。
| 観点 | RAID | バックアップ |
|---|---|---|
| 目的 | ディスク物理故障への対策 | データの誤削除・破損への対策 |
| 復旧対象 | ディスク故障 | 誤操作・ウイルス・災害 |
| 復旧方法 | ディスク交換と自動再構築 | バックアップから復元 |
| 時間軸 | 即座(数時間~数日) | 世代管理が可能(過去の状態に戻せる) |
| 別拠点保護 | できない | できる(遠隔地バックアップで対応) |
試験では「RAIDとバックアップの両方が必要な理由」を説明させる問題が出ます。答えは「RAIDはディスク故障対策、バックアップは誤削除やウイルス対策」という補完関係を理解していることです。
RAIDと「クラスタリング」の違い
RAIDと混同されやすい高可用性技術ですが、目的がまったく異なります。
- RAID:1台のサーバー内で、ディスク故障に備える
- クラスタリング:複数のサーバーで冗長化し、サーバー故障に備える
RAIDはストレージの信頼性、クラスタリングはサーバー全体の信頼性を高めます。試験では「サーバー故障に対応するには」という問題でクラスタリングが正答になることが多いです。
RAIDと「JBOD」の違いを知らない
JBODは「Just a Bunch of Disks」の略で、RAIDとは対照的な構成です。
- RAID:複数ディスクを組み合わせて、信頼性や性能を向上させる
- JBOD:複数ディスクを単純に連結して、容量を拡張するだけ(冗長性なし)
JBODは「1台が故障すると全データが失われる」という高リスク構成なので、バックアップが絶対に必要です。試験ではJBODが選択肢に出ることは少ないですが、「複数ディスクを何もしないで接続した場合」という問題文で暗に問われることがあります。
RAIDレベル間の混同:RAID5とRAID6
似た名前のため、耐障害性を混同しやすいです。
| 観点 | RAID5 | RAID6 |
|---|---|---|
| 最小ディスク数 | 3台 | 4台 |
| 故障耐性 | 1台の故障 | 2台の故障 |
| パリティ方式 | シングルパリティ | ダブルパリティ |
| 実効容量 | (n-1)/n | (n-2)/n |
| 再構築時間 | 標準的 | 長い |
| 書き込み速度 | RAID6より高速 | RAID5より低速 |
大容量ディスク時代には「再構築中に別ディスクが壊れるリスク」を避けるため、RAID6を選ぶ傾向があります。試験では「3台で冗長化する場合はRAID5、4台以上で2台の故障に備えたい場合はRAID6」という使い分けが正答になることが多いです。
RAIDと「ホットスペア」の関係を知らない
「ホットスペア」はRAIDと共に使われる補完技術ですが、混同されやすいです。
- RAID:ディスク故障後のデータ復元を可能にする仕組み
- ホットスペア:ディスク故障時に自動的に予備ディスクに切り替える機能
ホットスペアがあると。
- ディスク故障を検出した直後から、自動的に予備ディスク(ホットスペア)で再構築が始まる
- 再構築が完了するまでの時間が短くなり、その間の2台目の故障リスクが低減される
試験では「RAID5で3台+ホットスペア1台の構成」といった設定で出題されることがあります。
まとめ:試験対策として押さえるべきポイント
RAIDで最も間違えやすいのは「バックアップの代わりではない」という点と、「RAIDレベルによって耐障害性が大きく異なる」という点です。特にITパスポートから応用情報までのすべての試験で出題されるため、マスターすることが重要です。
試験での頻出パターン。
- 「RAID0の特徴」→ 高速だが耐障害性がない
- 「RAID1とRAID5の使い分け」→ 容量効率と耐障害性のバランス
- 「実効容量の計算」→(ディスク台数-パリティ用台数)
- 「RAIDとバックアップの両立」→ 両方が必要
これらを確実に理解していれば、試験のRAID関連問題はほぼ正答できます。
【試験別】出題ポイントと対策
各試験の出題傾向と対策について解説します。受験予定のタブを切り替えて確認しましょう。
ITパスポート試験の出題傾向と対策
ITパスポートではRAIDの基本的な定義と役割が問われます。複数のディスク(磁気ディスク装置)をまとめて、データの信頼性と性能を向上させる技術という理解が中心です。RAID0、RAID1、RAID5などのレベルの違いと、それぞれの特徴を初歩的に区別できることが求められます。
「複数ディスクを組み合わせた時の目的は何か」という役割を選ぶ問題や、「RAID0は高速だが、欠点は何か」といった単一RAIDレベルの特徴判定が典型です。バックアップとの混同も狙われやすいポイントです。
RAID0は「高速だが耐障害性がない」、RAID1は「耐障害性があるが容量効率が低い」、RAID5は「その中間のバランス」という3点セットで覚えてください。また、「RAIDがあってもバックアップは別に必要か」という問題では、答えはYESです。ディスク故障には強いが、誤削除やウイルス対策にはバックアップが別途必要という違いを明確にしておきましょう。
情報セキュリティマネジメント試験の出題傾向と対策
SGでは、RAIDが「可用性(システムが継続稼働できる性質)」と「信頼性」を確保するための運用対策として位置づけられます。障害時の復旧時間を短縮する、再構築中のリスク対策といった、運用保守の観点から問われることが多いです。また、ホットスペア(予備ディスク)の役割や、適切なRAIDレベルの選択がシステムの継続性を左右することが強調されます。
基本情報技術者試験の出題傾向と対策
FEではRAIDの仕組みと各レベルの特徴を深く理解することが求められます。ストライピング(データを分散して高速化)とミラーリング(複製によるバックアップ)の違い、パリティ(復元用の計算情報)の役割を正確に区別する必要があります。また、「4台のディスクでRAID5を構成した場合の実効容量は」といった計算問題も頻出です。
「RAID0とRAID1の同時構成(RAID10)の目的は何か」や、「RAID5とRAID6の耐障害性の違い」といった複数レベルの比較問題が頻出です。また、実効容量の計算(ディスク台数 − パリティ用台数)もほぼ毎年出題されます。
まず、RAID0「高速・耐障害性なし」、RAID1「ミラーリング・耐性あり・容量効率50%」、RAID5「ストライピング+パリティ・1台故障対応・(n-1)/n」、RAID6「ダブルパリティ・2台故障対応・(n-2)/n」を確実に暗記してください。
次に、実効容量の計算問題に確実に対応するため、「3台でRAID5=2台分」「4台でRAID5=3台分」「4台でRAID6=2台分」といった具体例を3〜4パターン手書きして覚えることをお勧めします。午前問題ではこの計算が1問以上、毎年のように出ます。
応用情報技術者試験の出題傾向と対策
APではRAIDの設計判断と性能・可用性・コストのトレードオフが問われます。午前では「大規模ディスク構成でRAID5とRAID6をどう使い分けるか」「ホットスペアの配置とシステム予算の最適化」といった実務的な選択肢判定が出ます。午後では、ストレージシステムの障害復旧シナリオや、再構築性能への影響を考慮した設計問題が登場することが多いです。
「再構築時間と同時故障リスクの関係」や「容量効率とコストのバランスを考慮した最適なRAIDレベルの選択」といった、複数の制約条件を満たすシステム設計判断が問われます。また、SAN(ストレージエリアネットワーク)やキャッシュ機能と組み合わせた性能最適化も午後問題で出現しています。
APの午前では、「大規模ディスク環境では再構築時間が長くなり、その間にもう1台が故障する確率が高まる→そのためRAID6やホットスペア複数配置が選ばれる」というロジックを理解してください。
午後対策としては、「ストレージ故障時のRTOやRPO(復旧目標時間・復旧目標データ量)を満たすために、どのRAIDレベルとホットスペア構成を選ぶか」という設計問題に対応するため、要件を読み取り、トレードオフを判断する訓練をしましょう。また、「書き込み性能がボトルネックになる場合、RAID6よりRAID10を検討すべきか」といった複合的な判断も求められます。
例題・過去問演習
- 【Q1】RAIDの基本的な役割は何か(2024年度 ITパスポート)
ア)複数のディスクを使って、データの信頼性と読み書き性能を向上させる技術
イ)データを別媒体に定期的にコピーして、誤削除に備える仕組み
ウ)サーバー複数台で処理を分担して、全体の負荷を軽減する構成
エ)ネットワーク上に分散したストレージにアクセスする方式 -
RAIDは複数のハードディスクやSSDをまとめて使い、ディスク故障に強くしたり、読み書きを速くしたりする技術です。イはバックアップの説明ですが、RAIDはディスク故障への対策であり、バックアップとは異なります。ウはクラスタリングやロードバランシング、エはNAS(ネットワークストレージ)などの説明であり、RAIDの役割ではありません。RAIDはあくまで「複数ディスク内」での仕組みという点に注意してください。
- 【Q2】4台のディスクでRAID5を構成した場合、実際に使用できるストレージ容量は何台分相当か(2023年度 基本情報技術者試験 午前)
ア)2台分
イ)3台分
ウ)4台分
エ)容量は変わらず4台分だが、パリティ処理により読み書き速度が低下する -
RAID5ではパリティ(故障時の復元に使う計算情報)が1台分のディスク容量を使うため、実効容量は「ディスク台数 − 1」になります。4台の場合は4 − 1 = 3台分です。ひっかけやすい点として、「パリティが1台分の専用ディスクになるわけではなく、複数ディスクに分散される」ことを理解する必要があります。エの「容量は変わらない」という誤答を選んでしまう受験生も多いので注意しましょう。
- 【Q3】RAID0とRAID1の特徴の組み合わせについて、正しい説明はどれか(2022年度 基本情報技術者試験 午前)
ア)RAID0は高速だが耐障害性がなく、RAID1はディスク1台故障に耐える
イ)RAID0は耐障害性があり、RAID1は高速で容量効率が良い
ウ)RAID0とRAID1の両方ともディスク2台故障に耐える
エ)RAID0はバックアップを自動実行し、RAID1は読み書き性能を向上させる -
RAID0はストライピング(データを複数ディスクに分散)により高速ですが、1台が壊れると全データが失われます。RAID1はミラーリング(同じデータを2台に複製)で1台故障に耐えられます。イの「RAID1が容量効率が良い」は誤りです。RAID1は2台で1台分の容量しか使えないため、効率は50%です。エはバックアップやパフォーマンスの説明に見えますが、RAID自体はバックアップ機能を持たず、単なる耐障害性技術という点を見落としやすいです。
- 【Q4】ディスク障害の復旧時間が長い大規模ストレージで、RAID5よりRAID6を選択する理由として最も適切なものはどれか(2021年度 応用情報技術者試験 午前)
ア)RAID6は読み取り性能がRAID5より優れているから
イ)RAID6は2台までのディスク同時故障に対応でき、復旧中の追加故障リスクを低減できるから
ウ)RAID6は必要なディスク台数がRAID5より少なくて済むから
エ)RAID6は容量効率がRAID5より優れているから -
RAID5は1台の故障に対応できますが、再構築中(修復処理中)に別のディスクが故障するリスクがあります。RAID6は2台までの同時故障に対応できるダブルパリティ(2つの復元用情報)を持つため、大容量ディスク時代の長い復旧時間でも安全です。アの読み取り性能はむしろRAID5の方が優れていますし、ウの「ディスク台数が少ない」もRAID5の方です。エの容量効率もRAID5((n-1)/n)がRAID6((n-2)/n)より優れているため、RAIDレベルを選ぶ理由として「可用性(復旧中の追加故障対応)」を理解することが重要です。
- 【Q5】ホットスペア(予備ディスク)を備えたRAID5構成の利点は何か(2020年度 情報セキュリティマネジメント試験)
ア)ホットスペアがあるのでバックアップが不要になる
イ)ディスク故障を検出すると自動的に予備ディスクに切り替わり、再構築が自動で開始される
ウ)ホットスペアがあるので、RAID5でも2台同時故障に対応できる
エ)ホットスペアを配置すれば、ディスク容量が無制限に拡張できる -
ホットスペアはディスク故障時に自動的に機能し、手作業なしで再構築が開始されるため、復旧時間を短縮し、その間の追加故障リスクを低減できます。アの「バックアップが不要」は誤りです。RAIDとバックアップは補完関係にあり、どちらか一方では不足しています。ウの「2台同時故障に対応」も誤りで、RAIDレベルの耐障害性は変わりません。ホットスペアは「復旧時間短縮」が本来の利点であることを理解することが大切です。
RAIDに関連する重要な用語
ストライピング
ストライピングは、1つのデータを細かく分割して複数のディスクに分散して保存する仕組みです。
複数ディスクが同時に読み書きできるため、処理速度が向上します。ただし、1台のディスクが故障するとデータの一部が失われてしまい、全体のデータ復元ができなくなるという欠点があります。
RAID0はストライピングのみで実装されており、高速ですが耐障害性がない構成です。試験では「ストライピングの特徴は速度向上だが信頼性がない」という点が問われます。
ミラーリング
ミラーリングは、同じデータを複数のディスク(通常は2台)に完全に複製する仕組みです。
鏡に映したように全く同じ内容が保存されるため、1台のディスクが故障してもう片方に全データが残っています。そのため、故障したディスク交換中でもシステムを継続利用できます。
欠点は容量効率が悪いということです。2台のディスクに同じデータを保存するため、実際に利用できる容量は1台分になってしまいます。RAID1がこの仕組みで実装されています。
パリティ
パリティは、ディスク故障時にデータを復元するために使われる計算済みの検査情報です。
複数ディスクのデータから数学的な計算によってパリティを生成し、ディスク内に分散して保存しておきます。ディスクが1台故障した場合、残りのディスクとパリティ情報から、故障したディスク内のデータを完全に復元できます。
| RAID | パリティ本数 | 耐える故障台数 | 実効容量(4台の場合) |
|---|---|---|---|
| RAID5 | 1組 | 1台 | 3台分 |
| RAID6 | 2組 | 2台 | 2台分 |
RAID5では1組、RAID6では2組のパリティを持つため、実効容量が異なります。試験では「n台でRAID5の場合、実効容量は」という計算問題が出題されます。
ホットスペア
ホットスペアは、RAID構成内に予め予備として用意しておくディスクのことです。
ディスク故障を検出した直後に、自動的にホットスペアに切り替わり、データの再構築が始まります。これにより、再構築中に別のディスクが故障するリスクを低減できます。
例えば「RAID5で3台+ホットスペア1台」という構成の場合、1台が故障するとホットスペアが自動的に機能して、データが安全に復元されます。試験では「再構築時間中の故障リスク軽減」という文脈で出題されることが多いです。
キャッシュメモリ
ハードウェアRAIDコントローラに搭載されるキャッシュメモリは、ディスクアクセスの高速化とデータの一時保存に使われます。
ディスクへの書き込みデータをいったんキャッシュメモリに保存してから、後からディスクに書き込むため、ホスト側の待ち時間が減少し、全体のパフォーマンスが向上します。
重要な特徴として、バッテリーバックアップが付いている場合があります。停電時にキャッシュ内のデータを永続記憶装置に退避させることで、データ喪失を防ぎます。大規模なデータベースサーバーではこの機能が必須です。
まとめ
本記事でのRAIDの重要ポイント
- RAIDは「複数のディスクをまとめて、信頼性や性能を向上させる技術」であり、代表的な目的は「故障に強くする」と「読み書きを速くする」の2つである。
- ストライピングはデータを分散して高速化する仕組みであり、ミラーリングは同じデータを複数ディスクに保存して信頼性を高める仕組みである。
- パリティは、壊れたディスクの内容を計算で復元するためのデータであり、RAID 5やRAID 6で利用される。
- RAID 0は高速だが耐障害性がなく、RAID 1は信頼性重視、RAID 5・6は容量効率と信頼性のバランス、RAID 10は性能と信頼性の両立に優れる。
- ソフトウェアRAIDはOSで実現し安価だがCPU負荷があり、ハードウェアRAIDは専用コントローラで実現し高性能だがコストがかかる。
- RAIDはあくまで「ディスク故障への備え」であり、「バックアップの代替」にはならないため、別途バックアップは必ず必要である。

